~ 羊飼いの糸 ~

私たち人にも個性があるように、
羊にも個性があります。
その羊の毛質に合った糸を紡ぎ、
その糸に合ったものを編む。
均一ではない、
その羊を感じることが出来る
特別な糸をお届けします。
~ 会いに行ける ひつじ ~

ここは愛知県日進市、
愛知牧場。
ここの羊たちは、毎日
近所の子供や、訪れた人たちを
優しく癒してくれています。
観光牧場の羊たちには、
名前が付いており、
いつでも会いに行くことが出来ます。
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もしも着ているセーターに、
目の前にいる羊の名前が記されていたら
“ありがとう、大事にするね。”
そんな素敵な言葉を
直接伝えることが出来るかもしれません。
私たちが夢見ているのは、
そんな優しい世界です。
~ 服を着たひつじ ~

羊が暮らすのは、
自然豊かな大地の上。
当然、毛には木の葉や小枝、
植物の種などがたくさん付きます。
それらを綺麗に取り除く為には、
環境に負担の掛かる
特別な薬品を使う必要があります。
そこで私たちは、
羊に服を着せることで
ゴミや汚れを付かなくし、
環境に負担の掛かる薬品を
一切使用することなく
羊本来の、美しい羊毛を
手にすることが出来ました。
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これは、羊飼いが家でこっそりと
自分で使うために飼育している
特別な羊によく用いる方法で、
カバードウールとも呼ばれています。
もちろん、
羊にも負担が掛からないように
服の微調整や、
飼育環境にも配慮しています。
~ 共に支え合う ~

羊の毛刈りは、
毎年春に行います。
それは、
暑い夏を迎える前に、
毛を脱ぐ必要があるからです。
羊は自然と毛が抜け落ちないため、
私たちはそのお手伝いとして
羊の毛刈りを行います。
羊に負担を掛けないよう、
素早く、そして丁寧に。
無駄のないよう、
感謝を込めて刈り上げます。
冬が過ぎると、
羊にとっては必要のない羊毛も、
私たちにとっては、
次の冬に向けた大切な羊毛になります。
~ 羊毛が なりたい糸へ ~

私たちは
刈り取った原毛から
そのままひと房ずつ手に取り、
糸車へと
そっと手を添えていきます。
くる くる くる ~
する する する ~
まるでそこに意思が在るかのように、
糸が自然と紡がれていきます。
羊から頂いた自然の恵みを、
出来るだけ崩すことなく
ありのままの姿を大切にしながら
糸の形へと紡いでいきます。
~ 愛おしい糸へ ~

私たちは羊と繋がっています。
毎年、同じ羊から
毛を分けてもらうため、
その愛おしさは格別です。
もしもあなたが、
この糸を手にしたら
あなたはその羊が食べる餌代を、
羊飼いに手渡したことになります。
そして来年もまた
その羊は、美しい羊毛を
あなたへ届けてくれるでしょう。

羊飼いの糸とは、
羊飼いが紡ぐ糸のこと
ではありません。
だれもが
羊飼いになれる糸です。
“羊と共に生きる”
これは、
私たちが忘れてしまった
歩み方のひとつです。